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保健師研修から

 

  K市で新生時訪問や乳幼児健診などの母子保健支援時に通訳派遣をしている関係から、母子保健担当の保健師対象に外国人とのコミュニケーションや通訳を使用する際の注意点についての研修を行いました。

 

 参加されていた保健師さんは、皆さん若く、女子力の高そうな(笑)方ばかりでした。でも、いろいろお話しを聞いてみると、皆さん母子保健支援にとても熱い思いを持っており、外国人等利用者に対してもっと深く支援をしたいと思っているけれども、言葉や文化の問題があり、思うように支援ができない状況もあることが明らかになりました。

 

 

 

 保健師さんたちは、健診に来なかった世帯に状況確認のため通訳なしで直接訪問したり(在宅かどうかわからないので通訳予約できないため)、外国語の挨拶を覚えてコミュニケーションを取ろうとしたりして、言葉が通じない状況でも支援を一生懸命行っていることがわかりました。

 

また、妊娠中の食事や離乳食について日本式の指導でいいのかなど、文化の違いもありどこまでどのように支援や指導をしたらいいかと悩んでいる姿もありました。保健師さんが外国人等利用者に対して満足できる支援を行うためには、コミュニケーションをつなげる通訳が必要不可欠なものだといえます。 

 

しかし、新生児訪問や乳幼児健診などの母子保健支援の派遣は全て行っているK市ですが、電話での通訳相談は英語・中国語それぞれ週に2日ずつしかなく、それ以外の日に外国人等利用者が来所したり、保健師さんが緊急で突然訪問をしなければならない時など、通訳対応ができない状況です。現場の保健師さんたちが通訳の必要性を訴えているのですが、なかなか改善されない状況です。

 

 

 

 医療保健分野の通訳サービスは患者やクライエントの健康や福利に還元されるために行われるものですが、それを遂行するには対人援助の専門家(医師や看護師、保健師等)が適切な援助を行えるようにすることが必要です。

 

しかし、医療や保健の現場では、対人援助の専門家が通訳サービスを望んでいても、実現することが難しいのが現状です。対人援助の専門家が望む援助を行えるようにするためにも、現場の専門家の声を国や行政に伝えることも必要だなと感じています。(nai