地域の研修で思ったこと

スキーリゾートを抱えたある地域の医療通訳養成のお手伝いに行きました。目的地に向かう列車の中で、大きなスーツケースの外国人旅行者が大勢いることにびっくり!駅に着いて、観光案内所で道を尋ねていると、そこにも外国人の集団が・・・ 

 

これでは、日本語のまったくわからない人がいつ骨折などで搬送されてきてもおかしくないだろう・・・関係者の方々の不安がわかる気がしました。

 

通訳の必要性は感じても、その通訳が信頼できるかどうかわからない・・・特に、「英語以外の言語は通訳が何をしゃべってるのかまったくわからないので不安」と、ロールプレイ演習に参加された医師の弁。

 

そうですよね。だからこそ、きちんと訓練を受けた通訳者であるという「証明」が必要になります。でもそれだけで、すぐに「それなら安心だから通訳を使おう!」になるのかな?とちょっと思いました。

 

「通訳の話してる言葉はわからなくても、きちんと訳してくれているかどうか、患者さんの反応を見てたら大体わかるのよね」

 

---これは自治体・NPOの医療通訳制度が定着している地域の、ある看護師さんの言葉。

実際に通訳を使っているうちに見分けがつき、訓練された通訳がいる時といない時の差にも敏感になり、訓練された通訳を使おうというモチベーションにつながるのでしょう。

 

医療現場が実際に通訳をどんどん使うことで、その効果を実感し「信頼」が生まれる。当然のことながら、通訳者も実践の経験を積むことで、初めて「信頼」される通訳に育ちます。

 

通訳を養成しました、何らかの認定をしました、しかしそこから医療機関側の通訳導入・利用に至るにはあと一歩、何らかの「仕掛け」が必要なのかな~という気がします。

 

大きな課題の1つが、通訳料の負担でしょうか。冒頭に述べた地域でも、それがネックになっているとのこと。

 

「ふだんそんなニーズがあるわけじゃないから・・・」 という医療機関の声も。曰く「(在住外国人の患者さんは)大体日本語が通じるし、何とかなってる。」 

 

そこでその地域のネイティブの通訳さんに「そうなの?」と聞いてみました。ボランティアで同行することがあるというその人は、「(患者さんは)わからない言葉はすっ飛ばして、わかったところだけで『わかった』と言ってるんだよ」

 

旅行者は「目に見えるニーズ」ですが、在住者からの「見えにくいニーズ」を、見えるようにしていくことも課題なのでしょうね。

 

その医療通訳養成講座に参加された受講者は、皆さん熱心で一生懸命取り組んでおられ、感銘を受けました。また、講座を企画された行政の方々や医療者の皆さんの思いも、ひしひしと伝わってきました。

 

みんなの思いがうまくつながって、外国人患者さんが安心して受診できるシステムへと発展しますよう! そのために必要なものは?と考えさせられた一日でした。  (yo)